予定調和の無駄足(Alpha)

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現実と幻想の境界線 - 灰と幻想のグリムガル #01 感想

ねらわれた学園」「あいうら」でタッグを組んでいる、監督:中村亮介とキャラデザ:細居美恵子。
2013年の前半2クールには、5分アニメの革命児とも言える作品が2つあったが、その内の一つが「ヤマノススメ」であるならば、もう一つは「あいうら」であると思っている。

ともかくそのタッグの3年ぶりの作品が、今期いよいよ放映されるというので、前々から楽しみにしていた。

24分だけでなく、その中ではわからないことも拾いながら、見ていきたい。

最初にまとめ

現実と幻想の境界線が非常に曖昧で、これが主人公たちにとっての現実なのかどうかも分からない。
そんな世界観がうまく表現されている1話だったかなと。

作画

やはり背景が非常にいい作品。遠景にペールトーンを多用した背景はファンタジー性を増しているように思う。
そして明るい雰囲気も醸し出す。その明るい雰囲気がなんとなく仮初めのもので無ければいいなあと勝手に心配してしまうくらいに。

それと、背景の動かし方が凄い印象的。単純に背景が上下左右に動くだけではなくて、螺旋状の石段を下るところは、周りの風景の動かし方、パースの取り方なんかも連続的に変化していて、こういうのは凄い難しい印象があるんだけど、やってのけている。まるで3Dのように。壁際に生える雑草の葉の部分なんかは、綺麗な線で区切られているわけではないから、より頭を使いそうな感じ。

それと色彩がいい。
例えば、白い壁に太陽の影が落ちたとして、その影は普通一色の灰色に見えるはずである。
でもこの作品では白い壁を白い壁として描くのではなく、同系統の色をいくつも使って表現している。
本来ならそこに存在するはずのない色を使う。ある意味では難しいことをやってのけてるように感じる。

少なくとも、この背景だけで、他の似たような設定の作品と差別化はできるし、もちろん実利的な面でも、幻想的な雰囲気を出すのに役立っている。

あとキャラクター。
女の子が可愛いよね。あいうらから散々言われてることだけど、しゃがんだ時や体育座りの時の太股、少し上がったお尻、垂れ下がった服から覗くへそといったフェティッシュなところをちゃんと描いている。こういうフェティッシュな作品っていい。下品な作品は嫌だけど。

フェティッシュさとファンタジーというと、「絶対少年」を思い出すけど、あんな感じかもしれない。

BGM

一番最初の戦闘シーンのところはBGMと言うより挿入歌かな?

日常パート、というか食事や駄弁ってるようなシーンのBGMは、温和な雰囲気で明るく前向きな感じ。アクセント的に入れられていたピアノの音階も綺麗で印象的だった。

ほうほう。映像のための音楽、ハリウッド的な手法ですが、そもそも劇伴ってそういうものですよね。BGMが映像を引っ張るのではなく、BGMと映像が高いレベルで噛みあうっていうのかな。そういうのがいい劇伴ですよね。

ストーリー

多分これが本題であるはず。原作未読だし、原作もそれほど話題作というわけでもないので、ネタバレも少なく、楽しく見れる。

作画やBGMが牧歌的というか、明るい雰囲気を出しているけれど、ストーリーも凄いゆっくり。Bパートの野外で軽食を取りながらだべっているところはまさにそうで、台詞と台詞の間にワンアクション挟んだり、台詞自体も少しゆっくりと話している感じがする。だからといってテンポが悪いわけじゃないのは脚本と演出の妙なんだろうなあ。脚本も演出も監督ですが。

思えば緩やかな話の流れというのは「あいうら」でも顕著だったように思う。5分アニメだからって詰め込むわけじゃなく、ただゆるやかな流れを提供し、視聴者はそれに身を任せる。


そういやこの場面では、ランタがシホルのことを隠れ巨乳なんて言ってたけど、隠れてないんだよなあ。隠れ巨乳っていうのは、着痩せするとか言うレベルでなく、もう大きな胸を小さく見せるブラみたいなのをつけてるような感じのことを指すと思う。
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閑話休題
作画、BGM、演出etc. どれもが、明るく緩やかな雰囲気を醸し出していて、それが似たジャンルの他作品との差別化なんてことも言ったけど、なんとなく影は影であったり。例えば死が主人公にとってまだ身近ではないということとか。マナトなんかは品行方正でみんなのまとめ役なキャラだけど、それが一番に死んじゃって、残った5人がバラバラにって展開が、頭をよぎってしまう。
それはアニメの見過ぎと言われたらそれまでだし、主役級が死ぬような作品ではないのかもしれないけどね。

携帯やゲームといった現実世界のアイテムの存在を、誰もが頭の片隅に置きながらも、そのことに違和感を感じている。
その違和感が、作品の軸の一つでもあると思うので、それを視聴を継続しながら読み解きたいなと。

http://grimgar.com/story/episode01.html
公式サイトのSTORYページでは、毎話ごとにスタッフインタビューが載るようで。
監督は1話をドキュメンタリー的なんて言っていて、主人公たちのもどかしさ、じれったさに親近感を感じてもらいたいと。

十分そのねらいは達成されていて、僕自身が持っていた期待にも応えていて、だからこんな文章を書いているわけですが。
重要なのはもちろんその先。

キャスト

ありがたいことに、公式サイトで、監督がキャスティングについてコメントをつけているので、それを参考にしながら。

主人公ハルヒロの声は、キャラデザの持つ少年性に比べて、声が低い感じは受けるけれど、でも落ち着いた感じで、作品の目指す雰囲気にはあってるかなと。
ランタの声は、「SHIROBAKO」の高梨太郎役の人ですが、それに通ずるウザさがいい感じです。PTに1人くらい居るといいですよね。
ユメは関西弁もどきをしゃべるって設定ですが、結構それっぽくて、現実っぽさもありなん。等身大な感じでしょうか。
シホルの声は個人的に好きな声優さんですが、引っ込み思案な女の子という役柄でもその引っ込み思案特有の感じも出てていいなあと。


他にも考えたいことは色いろあるのだけど、物語の展開は2話以降になると思うので、とりあえずはそれを待ちましょうか。